新しいことを始めよう!

先週のAJF(アフリカ日本協議会)主催の公開座談会から1週間が過ぎました。サッカーの日本チームへの応援から南アにも関心を向けていた方たちの中には、祭りが終わった後のように元の日常の世界へと視線を戻した方も多いと思います。例えばオリンピックでも何かの世界大会でも、そんな反応は自然なように思います。でも、ときに何か心にいつまでも残る海外の国ってありますよね。風景であったり、食べ物、音楽、熱気・・小さなきっかけがその後の自分の人生を変えていくことがあります。
私自身、南ア以外にもイスラム圏の国でとても大好きな国があり、旅行や長期滞在ももちろんですし、言葉や料理、ダンスなどを習ったり友達を作ったり、NGOの手伝いをしたり、イスラム教について出会ったものから学ばせてもらってきました。その中から、自分と異なるものをもっている人と喜びを分かち合うことをたくさん教わりました。
なので、南アフリカの場合も、ニバルレキレから発信する話は、HIVエイズや貧困などと関係しているものが多いので、もしもブログを見てくださった方が、そういう話題は重いな・・と感じた場合には、ぜひ南アのバラエティーに富んだ魅力の中から、自分の心が一番動かされるもので、これからも南アにつながってもらいたいな〜と思っています。
いろいろな情報を私も発信できたらいいな、と思います。

さて、この1週間の中で座談会のスピーカーの方(明石書店南アフリカを知るための60章」の著者:峯陽一さん、津山直子さん、牧野久美子さん、佐藤千鶴子さん)と主催したAJFさんとのメールのやりとりをしていて、一番感じたこと。
それは当たり前のことですが、ワンアクションで新しい世界はつかめるのだということ。
昔、南アに渡航する前、私はスピーカーの皆さんの書かれた本や論文、AJFの発信する情報などを片っ端から読んで、いざ南アへと行きました。自分の目で見て、人とかかわり、足で歩いて得ていく体験に勝るものはないというのは本当ですが、一方で、南アという奥が深い国(というとあまり真面目っぽくないですが)、複雑な歴史や社会背景を抱え、豊かな文化を持った他民族国家の国で、日々出会う多くのことを消化して理解していくために、どれだけそれらの本で知ったことが力になったかわかりません。
そして、早くにお世話になった津山さん以外の方とは、何年もかかって少しずつ出会い、言葉を交わすまでになりました。
何が一番うれしかったか。それは南アにかかわっている人は、本当に南アが大好きなんだな、とわかったことです。どの人の話も、その人の見てきた南アフリカが、話を聞いている私の頭の中で動き出すようでした。実は、肩書きが研究者ときくと、なんだかアカデミックで、ちょっと距離を置いて対象をクールに観察しているような・・・?何か自分とは南アとの距離感や温度感が違うのかしら、なんて思っていたのですが、要はどの人も自分の得意とするツールを使って、南アとつながっているのであって、だから微妙にやっていることが違うのかな・・といった辺りに考えが落ち着こうとしています。
もし、南アに関心がある人がいるならば。
一人で考えて調べて勉強して研究しているよりも、誰か「南アフリカが・・」と声をあげる人がいたら、近づいて出会った方が絶対良いです。そして「南アフリカが・・」と自分も声に出した方が良いです。何か草の根の活動をしたい、国際協力にかかわりたい、という人がいるならば、月光仮面(古くてスミマセン)のように自分のことを思わず、自分が何をしたいか決めてしまう前に、何かしている人に近づいて出会った方が絶対良いです。何をするかは、アフリカの人と一緒に笑って泣いて、自分の無力さに途方にくれてから決めた方が絶対良いです。
今回スピーカーだった方たちは、誰かの力になってくれると思います。ニバルレキレは、力にはなれないけれど、間違った方向に行かないように肩を叩くことはできます。私を知っている人には、喧嘩が多いと言われますが・・。

座談会の第2弾が早く企画されないかな〜と、私も楽しみにしている一人です。皆さんも第2弾は必ずブログで案内しますから、顔を出してくださいね。

そしてそして。
ニバルレキレでも、新しいことを始めます。
何かというと、「本を読もう」の会です。しかも、「翻訳されていない本を読もう」の会です。
有言実行でいこうと思います(笑)。

本は読まなくても、センスの良い人は、アフリカへ足を運んでスッと現地に溶け込むと思います。
頭のいい人なら、自分で外国語の本も見つけて読んでしまうと思います。留学なんかしてしまうと思います。組織のしっかりしたNGOにも雇われてしまうと思います。
下手な読書で頭でっかちになると、人の奥底の喜びや悲しみが見えなくなります。「決めつけ」の多い冷たい人になると目の前の人と、信頼関係が結べなくなります。しかも南アフリカではリスペクトされずに、皆が仮面をつけてしか、つきあってくれなくなります。

私はハッキリ言って語学は苦手です。へたくそ英語です。センスも悪くて、KY(空気読めない)人間です。頭でっかちです。頭は本当にでかくて、南アでゴンドラに乗ったときに、他の人が頭を出せた隙間に頭のハチが引っかかって通らず、それ以来「カンダクルー(頭でっかち)」といまだに笑われています。話を戻せば、本の扱い方を間違ったことも大きな一因となって、目の前の状況をありのままに吸収せずに、心がつかめなかった失敗が、ソーシャルワーカーになって何回もあります。
苦手と思ってしまった相手と、上手につきあえずに落ち込むことがしょっちゅうです。

でも、やっぱり本を読もう。そういつも思います。コミュニケーションが下手で、KYで、コンプレックスもあって、どう行動すれば夢に近づくかわからなくて、そんなときに想像をかきたて、勇気をくれ、道を示してくれるのは私の場合は本だからです。

たぶん、なにを機会に足を踏み出したらいいかわからない、という人がいるんじゃないでしょうか。何に耳を傾けたらいいかわからない、と躊躇している人がいるんじゃないでしょうか。
ボランティア・勉強・仕事・旅・・行動に移してしまうには、まだ吟味したいという人がいるんじゃないでしょうか。
語学さえ得意だったら・・なんていう人がいるんじゃないでしょうか。

あくまで予定だけれど、8月末か9月頭に、本を読む会を開きます。
翻訳されていない南アフリカのことを書いた本を読みましょう。
ちゃんと、日本語で読めるように準備予定です。会が、出会いの場になったらいいな、と思います。ニバルレキレを手伝ってくれる方に出会えたらいいな、とも思います。
英語が得意な方が、活動を手伝ってくれたら嬉しいな、と思います。

今のところ予定している本は、
28 stories of AIDS in Africa です。
著者は stephanie nolen さん。
南部アフリカ諸国でのエイズの物語が、28人の人物への取材をとおして語られます。
アムネスティなどの賞も受け、有名な人ではU2のボノさんが推薦しています。関心のある方は、トライしてそしてぜひワークショップを手伝ってくださいね。