2011-07-01から1ヶ月間の記事一覧

冬のジョバーグで。

冬の柔らかな光。カラカラと枯葉の音が優しく話しかけてくる。 久しぶりの冬のジョバーグ。ホスピスでは人が亡くなりやすい季節。隣のソファで少女たちがDVDをみている。 噂話にクスクス笑い合いながら。久しぶりに会った二人が私の髪の毛をなでながら 「…

時空を越えて。

20日の外来で、久々にボロボロになった。 もともとボロボロの脳みそと体をだましだまし 生きているようなものだけれど、主治医からのダメ出しはいつも以上に痛烈だった。 アフリカ渡航後につぶれると主治医は断言した。 むむ。私の人生は子どもを犠牲にして…

シンシア・レショモの物語

ボツワナの中上流階級の家庭に生まれ、機会にも恵まれ育ったシンシア・レショモ。彼女が隣国南アで夢を手にし始めたのは、HIVが感染拡大しはじめた時期だった。彼女は何も心配しなかった。「私はHIVになんてならない。若くて美しく、感染するような社会的階…

7月18日は震災わかちあいの会@東京 経堂にて。

皆様 今月も震災わかちあいの会@東京をおこないます♪ 直前のご案内になってしまいましたが、 なんとなく口コミで広がって、 わかちあいメンバーも 増えてきました。 何より、この会から震災支援の活動が 生まれたことに、自分でも びっくりしている。先日は…

青い脚(2)

カビが一面に生えた脚をどうしたらいいのか、 私にはわからなかった。カビの生えた浴室のタイルの掃除の仕方しか 頭には浮ばなかった。 ちょっと痛かったごめんね。 ポケットに入っていたティッシュで、 彼の脚の爪に生えた青いフワフワを ぬぐってみた。カ…

青い脚(1)

スタッフに手招きされた。 あの部屋に、とても可哀想な患者さんがいるの。 私たちじゃ何もできないから、よろしくお願い。 午前の柔らかな光が、病棟の廊下まで差し込んでいた。 その部屋にいたのは、1人の男性。 私はまず部屋を、そっとのぞいてみた。 彼は…

ともに同じ空の下で。

お元気ですか?私は元気です。 何年も前にもらった、樹文明さんからの手紙。樹さんというのは仮名。HIV啓蒙活動を続けてきた樹さんは薬害エイズと薬害肝炎の被害者だ。ずっとコツコツと、HIV啓発の活動、何よりも差別をなくす活動を続けてきた。 樹さ…