時空を越えて。

20日の外来で、久々にボロボロになった。


もともとボロボロの脳みそと体をだましだまし
生きているようなものだけれど、

主治医からのダメ出しはいつも以上に痛烈だった。


アフリカ渡航後につぶれると主治医は断言した。
むむ。

私の人生は子どもを犠牲にしていると。
むむ。


私の人生は失敗に満ちているらしい。
ん?

そんなに主治医に自己開示なんかしてないんだけれど。
自分で気づいていない失敗がたくさんあるらしい(笑)

反省しないのは
学習能力がないからだとも言われた。

ん?

だって
死んだように生きていたくないだけの話なのだけれど・・。



とにかく、20日
私は主治医から人間として敬われていなかった。
私が理解したのはそのことだけだった。



こんなときは

早く終わらないかな〜と机をじいっと見つめ続けるしかないものだ。

外来診察というのは、圧倒的に主導権は主治医にある。

最終的に医者に処方箋を書いてもらわないと
困ってしまう。

悔しいことに、主治医の絶妙な薬のさじ加減に
助けられながら私は生きている。

主治医がカルテに処方箋を書き始めてくれたときは
正直ほっとした。



診察室を出ようとした瞬間。



携帯電話が鳴りだした。

それは着信音として自分で設定していない
きれいなメロディーだった。

不思議に思いながら、主治医に頭を下げ、
待合室へ出、
携帯電話を開いた。



なり続けるメロディー。


画面には


我が子の名前と

見知らぬ電話番号が表示されていた。



6歳のうちの子は携帯なんて持っていない。



胸がどきどきした。


電話に出ることよりも、

そこに、はっきりと平仮名で我が子の名前が

表示され続けている不思議な画面をしばらく見ていたかった。


誰からだろう。


待合室での視線もあったので、電話に出ようと廊下へ私が向かった
瞬間に電話は鳴り止んだ。



不在着信履歴でもう一度確かめようとしたけれど、
履歴には、何も残っていなかった。


自分が忘れているだけで、何かこどもの名前で、
カレンダー機能に予定でも書き込んでいたのではないか、
学校や保育園関連、なんでもいいから
ひらがなの子どもの名前で携帯に登録したものがなかったか、
くまなく探したけれど、何もなかった。




否定する人はたくさんいるだろう。

けれど

それは

時空を越えて、かかってきた

未来の我が子からの電話だったんじゃないかって

今は思っている。



私の人生がどうなるかはわからない。


でも、


きっと


大切な私の子どもは


すくすくと成長していってくれる。


そう思った。


時空の向こうで
幸せそうに笑っている彼が待っている。


ボロボロの日に起こったミラクル。



きっと私も大丈夫だ。