タゴール

 エイズホスピス勤務中は、キューブラー・ロス「死ぬ瞬間」という本をときどき読んでいました。ロスの本はその後もすべて愛読していますが、私の中に印象深く残ったのは、本にちりばめれれた、タゴールの詩でした。
 もともと、詩や文学が好き、ということもありますが、勉強することよりも、感性を研ぎ澄ますことのほうが大切なことを、私はエイズ患者さんの死に寄り添う中で教えられました。
 アフリカのそれぞれの部族のもつ言葉にも、美しく素晴らしい意味をもつ言葉がたくさんあります。
 言霊(ことだま)っていいますよね。美しい日本語、美しい外国の言葉、美しいアフリカの言葉に出会うことで、何か、人の心にある祈りのようなものが自分の心の中に流れてくるような感覚になることがあります。それらを見つめていくことで、自分が人とかかわる仕事をしていけるような気がしてます。時には、強烈なショックを受けるような言葉も人は語りますが・・それも含めて、言葉は生きていると思います。要は、私は旅好きの鉄子ちゃん(そんなわけで、タウンシップやスクウォッターキャンプにも、のりあいタクシーで行っては住みついて感染者と暮らしたんじゃないの?と友達には言われます。)であるのと同じく、本の旅が大好きというだけなのかもしれません。

 さて、今日のタゴール
 詩集「迷い鳥」(風媒社)からです。この本は比較的短い詩が多く、見開きでタゴール自身による英語の詩が並んでいるので、いろいろな読み方ができます。
 
 わたしが存在することは、ひとつの果てしない驚き、それがいのち。 〜 THAT I exist is a perpetual surprise which is life 〜

 わたしに思わせてください。あれらの星のなかに、未知の闇をつらぬいてわたしの人生をみちびく星があると。
 〜 LET me think that there is one among those sters that guides my life through the dark unknown.〜