わかちあいグループ@東京のこれまでのこと(1)

震災わかちあいグループ@東京を、これまで4回開いている。

月に1回のペース。

ブログできちんと報告していなかったかもしれない。
開催の案内をするだけで。

自分でも過去のブログはときどき振り返らなければと思う。

今作成中のニバルレキレのHPにもブログサービスがちゃんとある。

でもそれは、代表の私の主観が入りすぎてはいけない。
もっと、活動報告として使っていかなければ。

始めたばかりの頃はごちゃごちゃになっていたから、気をつけようと
思っているところ。


今日は震災わかちあいグループ@東京の話。


これまで3月の震災直後からずっと、被災された方が都内で避難生活を
送っていることを、わかってはいるのだけれど、
どうつながっていけるのか、手探りだった。

そして誰かが、という以前に自分たち自身がしっかりと自分の心の
ケアをしていなければ、誰かを支えるなんてことはできない、という
ことにも気づいていた。

震災の甚大な被害、マスメディアの報道、身近な人の被災の連絡などで
私たち誰もの日常が、「非日常」に変わってしまった。
そのことで困惑したり、疲労したり、ストレスを感じている人も
東京だけでもたくさんいるに違いないと思っていた。

手探りでのわかちあいグループ。

1回目のときは、震災直後だったこともあり、20名近い参加者が
個々に抱えている心境を吐露した会だった。

1人1回は発言できるようにしたことと、
その人が存分に話しきったと思えるまで誰も話をさえぎらずに
傾聴しあったので、時間もかかった。
結果的には、カタルシスを経てすっきりしたという人もいれば、
他の人の感情を丸ごと受け止めてしまって、自分が一杯一杯に
なってしまったという人もいた。単に時間が長くて疲労した
という人もいた。

そして、その会では、ソーシャルエナジーカフェでの
ワインつきのランチでの宴会も用意されていただいたのだけれど、
一番好評だったのは、この食事だったように思う。

「震災後、久しぶりに普通に美味しい食事を、楽しく食べる経験を
した気がする。うれしかった。」
そう宮城県出身で「思い出が全て消えてしまった。大切な人を
失った。」という女性が言ってくれた。


2回目のわかちあいの会を開くのにあたって、精神保健福祉士
している仲間のほっぴいさんに相談した。

「まず自分のケアでいいんじゃない?
 震災のことで心のケアをしていくって、10年20年・・もっと
 かかることだよ。
 まず支援者をふだんしている自分のケアだよ。」

力強い言葉だった。

そして2回目の4月の開催は
精神保健福祉士を中心に、人を支えるということを仕事にしている
人に、直接は声をかけて会を行なった。

ほっぴいさんの計らいで、
会場にはキーボードが用意された。
私の方でも、会場の机をとっぱらって、
アフリカンデザインのラグをしいて、お菓子を用意して、
可能な限りラクな格好で、午後の時間を好きにリラックスしていって
もらうことにした。
子どもも連れていった。

うちの子は、居心地のよさ・わるさの察知が早い。
わるければ、どんなに周りが子どもサービスをしようとしてくれようと、平気で逃げ出す。

子どもがリラックスして好きに遊びはじめた。
うん、今日の会はいい感じになりそう。

キーボードをポロンポロンと弾く人もいれば、横になって寝てしまう人までいた。

なんとなく、新しい人が会場に顔を出すたびに自己紹介をしていき、ひとこと、会に参加した自分の気持ちを話していく。

それをひたすら繰り返してみた。

繰り返すたびに、少しずつ最初からいた人の自己開示がすすんでいくのがわかった。
心をひらいているのが。

よくわからないけれど、こうやって、集まってわかちあっていこう。
確認しあうことができた。


3回目は南アチャリティイベントと合同で行なわせてもらった。

1回目と同じ会場のソーシャルエナジーカフェで。

まったり。

チャリティイベントというと、なにかが用意されていそう。
チャリティに来た人にとって聴き応えのあるトークがあったり、ゲームがあったり、ネットワーキングをしあったり。

自己紹介はしたけれど、何もしなかった。

自己紹介の中で、なぜ自分がここにいるかと、震災のことで気になっていること、自分が何か活動している人にはそれを語ったりした。
被災地の写真を見せてくれた人もいた。
ピアノを弾いてくれた人もいた。

会場では、エイズ孤児の絵画展をしていただいているし、PCでのエイズ孤児のスライドフォトを見ていただいた。
それで十分メッセージは用意できていたし、みんな受け止めてくれていた。

だから最後の最後で、朗読と人形劇をしただけ。

大切な人との絆をすてきに描いた絵本。
「どんなに君が好きだかあててごらん」


会が終わってからは、
「居心地がよくて溶けそうになった」
「なんだかよくわからないけれど、楽しかった」
と好評のメールがいくつも届いた。


みんな、十分に日常でがんばっている。

十分に暮らしの中で、被災地のことを想っている。

自分が何をしたらいいのか、十分に悩み葛藤している。


だから、わかちあいグループでは
がんばらない。
ひたすら、居心地のよさを追求していこう。


言葉に出さない何かで、お互いをねぎらっていこう。

そんな風に思っているところ。


もちろんずっと、被災者支援のことを考えている。

5月22日のわかちあいグループ@東京から、
私たちの被災者支援が本格的に始動しだした。

そのことは、また別に書こうと思います。