2011-01-01から1年間の記事一覧
カビが一面に生えた脚をどうしたらいいのか、 私にはわからなかった。カビの生えた浴室のタイルの掃除の仕方しか 頭には浮ばなかった。 ちょっと痛かったごめんね。 ポケットに入っていたティッシュで、 彼の脚の爪に生えた青いフワフワを ぬぐってみた。カ…
スタッフに手招きされた。 あの部屋に、とても可哀想な患者さんがいるの。 私たちじゃ何もできないから、よろしくお願い。 午前の柔らかな光が、病棟の廊下まで差し込んでいた。 その部屋にいたのは、1人の男性。 私はまず部屋を、そっとのぞいてみた。 彼は…
お元気ですか?私は元気です。 何年も前にもらった、樹文明さんからの手紙。樹さんというのは仮名。HIV啓蒙活動を続けてきた樹さんは薬害エイズと薬害肝炎の被害者だ。ずっとコツコツと、HIV啓発の活動、何よりも差別をなくす活動を続けてきた。 樹さ…
6月19日にアフリカ日本協議会主催で、 シンポジウム 〜東日本被災者支援とアフリカ支援をつなぐ〜 報告と提起が開催されました。報告者は5名。1、在日ガーナ人のジョーさんが、ピースボートの石巻での被災者支援に参加したときの様子を報告されました。…
フィアメーラ というのは 南アの女の子の名前です。意味は 小さな炎。すてきな名前でしょう? ずいぶん前に、ある出版社の人にエイズ孤児のことを原稿用紙で10枚くらいで 書いてみてください、といわれて それで、私は南アで一番最初にお友達になった フィ…
未来はわからない。フィアメーラの未来も。 自分の未来も。 フィアメーラは、ARV治療の薬を一生飲み続けなければ ならない人生だ。いずれ、HIVエイズについて深く学び、 また悩むときがくるに違いない。 そして恋をする日も訪れるだろう。自分の育った環境に…
ある夜、団子状態に私の上に乗っていた 小さな子どもたちが、他の遊びに散っていった隙に、フィアメーラがめずらしく、すっと私の膝の上に乗り、 いつものようにつねってくることもなく、 抱きついてきて ささやいた。「私のママになってね。」 彼女からきい…
2004年に入り、USAからの支援や カトリック教会組織の支援、それから大学病院の医師による プロジェクトが一体となって、この施設のHIV感染孤児の子どもたちが、ARV治療を少しずつ 受けられることになった。南ア政府の動きに先駆けて、子どもたちの命を…
親友のHIVアクティビストに相談した。HIVアクティビストとはHIV陽性者本人であって、なおかつHIV陽性者やエイズ患者のために 社会的な活動・人権活動などを行なう人たちのこと。親友は、自身が10代前半でレイプ被害に遭い、 瀕死の重傷を負うだけでなく、 …
この世界の中にあるたくさんのマイナス表現。ネガティブな考え。陰湿なもの。 大人の使う言葉や態度を、子どもたちは知らぬ間に吸収して 自己評価につなげてしまうことがある。それは日本もアフリカも同じ。 フィアメーラのいる施設には、いろいろな人間がや…
今回の震災では海外の多くの国が、日本を支援してくれています。 3月の話になってしまいますが、南アフリカからも人道支援チームが来日し、 宮城県で活動してくれたことを今日は紹介しますね。 この南アの人道支援組織はRescue South Africa (RSA)。日本の支…
次回 I KNOWのお知らせです。★第4回ワークショップ I KNOW★日時:2011年7月9日(土) 13:00〜15:00 4つめの物語〜シンシア・レショモ〜 裕福な家庭に生まれた美しい女性、シンシア。 南アへの留学から戻り衰弱していく彼女に周囲は、HIV検…
久しぶりに眠り続けた。 眠り続ける、と決めて。眠った。 起きたときには、眠ることに頭が飽き飽きしていたけれど、眠った。4日目。すうっと酸素がお腹の下の方までおりてきた。 あ、もうきっと大丈夫。 夕暮れに子どもと手をつなぎ散歩する。 ママってなん…
ニューヨークの国連本部で開催されていたエイズ対策に関するハイレベル会合が、最終日の6月10日、2015年までに母子感染を撲滅する目標などを盛り込んだ政治宣言を全会一致で採択しました。この会議は、エイズの世界への初報告から30年経過したこと…
6月11日にらふらふぴりか。がはじまりました。長く続きそうな予感のするすてきな はじまりの1日でした。 ちょっと、おまじないみたいな、女の子の名前みたいなそんなワークショップの名前。大切にしていきたいと思います。 6月11日は、日本の各地でピースウ…
つながること、知ること、エンパワメントされていくこと。 ゆるやかで居心地のいい、それこそ寝ていたっていい。 「自分はここに、居ていいんだ」と思える、そんな空間を共有すること。 そして命にとって大切なことを、わかちあって感じて考えて、行動してい…
昨日のわかちあいグループでも、みんなで、「どの言葉がふさわしいのかは別として」と 前置きしながら、復興や 回復や 自己再生や エンパワメントや いろいろなことを話し合った。そこにあるのは命。生きる。 生きる。ことにこだわって、私たちは活動してい…
第5回目になる、震災わかちあいグループ@東京を 昨日、6月5日に下北沢のカフェcomp で開いた。カフェcomp。 絶対にまた来てしまうだろうな、 皆もそう思っているだろうな(笑) というくらいの、全員のくつろぎよう。自分の家で過ごしているとしか思えないく…
「自分たちにできる範囲での震災支援の活動をしたい」と と思って、ニバルレキレが最初に震災支援でかかげたのは 4つのことだった。1.震災わかちあいグループ@東京 2.募金活動つうじての後方支援 3.メール相談 4.3842プロジェクト震災わかちあ…
先日「田端のあたたかな夜」という記事を書いた。5月22日当日のことを報告していなかった。 どうまとめるのがいいのかな? 迷う気持ちもあったから。でも、きれいにまとめる必要もないんじゃないかと はたと気づいて、今日はせっせとPCに向かう1日だから…
ワークショップ YINI イーニ? 第3回のお誘いYINI? はズールー語で「なぜ?」という意味。 南アフリカ共和国のエイズ問題を考えるときに、多くの人から「なぜ?」をきいてきました。なぜそんなに感染者が多いの? なぜそんなに無防備に感染してしまうの? な…
震災わかちあいグループ@東京を、これまで4回開いている。月に1回のペース。ブログできちんと報告していなかったかもしれない。 開催の案内をするだけで。自分でも過去のブログはときどき振り返らなければと思う。今作成中のニバルレキレのHPにもブログサ…
5月22日に予定している 田端での震災わかちあいグループ@東京の準備のために、 商店街を訪れた。田端駅北口から歩いて5分もしないところから始まる 商店街。田端駅前周辺から歩いて思うのは、チェーン店は 駅前のごく数店舗だけということ。チェーン店に負…
ワークショップ I KNOW 第3回 を5月7日 世界エイズ孤児デーに開催しました。 震災の影響により延期されていた第3回を、5月7日(世界エイズ孤児デー)に開催し、久しぶりにお互いの元気な顔を確認しました。会場を新たにしたこともあり、新しく参加された方も…
大切な友人が詩を贈ってくれました。 とても素敵で、私も皆さんに紹介します。 レバノン出身の詩人カーリル(またはハリール)・ジブラン(またはギブラン)の詩 『子どもについて』訳:星野道夫 あなたの子供は、あなたの子供ではない。 彼らは、人生そのも…
5月8日。今日のチャリティイベントのキャッチ子コピーは「癒されながらチャリティを」。どんな活動をする場合でも、肝心の自分がしっかりと癒されて 自分の感情をしっかりとケアできて、自分がどんな気持ちか 確認できて、ありのままの自分のままでいていい…
こんにちは。私たちはニバルレキレです。NGIBALULEKILE! = I am Special 〜あなたは あなたであるだけで すばらしい〜今日5月7日が何の日かご存知ですか?5月7日は世界エイズ孤児デー。 世界に何人のエイズ孤児がいるか、ご存知ですか?今、世界には1660…
子どもと一緒に人形劇の練習をしている。入学したての3月うまれの6歳ほやほやの子どもの 集中力は短い。なかなか進まないけれど、 彼の大好きな絵本を劇の題材にした。「どんなにきみがすきだか あててごらん」サム・マクブラットニィ 文 アニタ・ジェラーム…
アフリカ日本協議会とニバルレキレ事務局主催の ワークショップ I KNOW 第3回の最終案内をさせていただきますね。今回開催の5月7日は世界エイズ孤児デーにあたるため、ワークショップのメンバーとも相談し、通常と少しプログラム編成を変えてみました。いつ…
以下、とても重要な問題が起きているので全文転載します。世界の貧困や紛争。 その中で解決されない病・・ 例えばエイズや結核、マラリアなど。 そういった問題を解決するため必要なお金を 政府が削減しようとしています。世界は日本を忘れずにいてくれてい…